「むくみに」「引き締めに」。そんな言葉とともに、カフェイン配合のアイクリームや美容液を見かけることが増えました。
コーヒーや紅茶に含まれる、あのカフェインです。飲むものと同じ成分が、なぜ肌の外側からのケアにも使われるようになったのでしょうか。
なぜ肌のケアに使われるのか
カフェインの働きをまとめたレビューでは、抗酸化作用によって紫外線による肌へのダメージを和らげ、光老化の進みをゆるやかにする可能性が挙げられています。
あわせて、皮膚の微小な血流を促す働きも報告されています。目もとの美容液に配合される理由は、この2つの性質にあります。
「引き締め」の根拠を確認すると
ここで少し立ち止まりたいのが、「むくみ」「引き締め」という言葉です。カフェインが体脂肪の分解に関わる酵素にはたらきかけることは知られており、ボディケア領域ではこの性質を利用した製品が作られてきました。
ただ、実際に効果を確認した試験の多くは、カフェインだけでなく複数の成分を組み合わせた製品によるものです。ある12週間の試験では、カフェインに加えて数種類の有効成分を配合したクリームで、体まわりのサイズに変化が見られたと報告されています。これはカフェイン単体の効果ではありません。
| 報告されていること | 注意したいこと | |
|---|---|---|
| 抗酸化 | 紫外線ダメージの軽減に関わる可能性 | 実験室レベルの検討が中心 |
| 血流 | 皮膚の微小循環を促す報告あり | 持続時間は限定的 |
| 引き締め | 体脂肪分解酵素への作用が知られる | 多くは複数成分の組み合わせで検証 |
成分の名前が同じでも、単体で試された話と、組み合わせで試された話は分けて読む必要があります。
気長に付き合う成分として
カフェインが肌に悪いという話ではありません。抗酸化ケアの選択肢のひとつとしては、報告の積み重ねがある成分です。
ただ「一晩でむくみが取れる」「使った瞬間に引き締まる」といった即効性を期待する成分ではないと思っておいたほうが、使い続けやすいはずです。
わたしは寝不足の朝、目もとのケアに何か特別な力を求めたくなります。でも実際に助けてくれるのは、そういう魔法のような一本より、いつもの保湿と睡眠だったりします。カフェイン入りのアイクリームは、その延長にある選択肢として使っています。
Grain Note
コーヒーと同じ成分だからこそ、期待のしすぎに気をつけたいと思う。
身近な成分であることと、肌の上でどこまで働くかは、別に確かめる必要があります。パッケージの言葉より、続けやすさで選んでいいのだと思います。
Grain Evidence
カフェインの作用機序と化粧品での利用
カフェインが抗酸化作用によって紫外線ダメージを和らげ、皮膚の微小循環を促す可能性があるとまとめたレビューです。体脂肪の分解に関わる酵素への作用や、育毛分野での利用についても触れられています。
Herman A, Herman AP. Skin Pharmacol Physiol. 2013;26(1):8-14. (PMID: 23075568)
カフェインを含む複合処方の12週間試験
カフェインに複数の有効成分(フォルスコリン・カルニチンなど)を組み合わせたクリームを12週間使用した試験では、体まわりのサイズや肌の見た目に改善が見られたと報告されています。カフェイン単体の効果を切り分けたものではありません。
Roure R, et al. Int J Cosmet Sci. 2011;33(6):519-526. (PMID: 21564138)
抗酸化成分としての皮膚への浸透
アスコルビン酸とカフェインを組み合わせ、紫外線による酸化ダメージからの保護を目的とした送達方法を検討した研究です。両成分が抗酸化作用によって光老化を遅らせる可能性があるとされています。
Alkilani AZ, et al. Polymers (Basel). 2023;15(9):2181. (PMID: 37112106)



