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肌の乾燥が気になる日に。オメガ3脂肪酸と肌荒れの関係

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肌の乾燥が気になる日に。オメガ3脂肪酸と肌荒れの関係

化粧水を重ねて、乳液やクリームで丁寧に蓋をしたはずなのに、夕方には目もとや口もとがつっぱる。季節の変わり目でもないのに肌が急にピリついて、肌荒れを繰り返す。そんな感覚はありませんか。

外側だけでは届かないところがある

肌の乾燥やゆらぎに直面すると、つい保湿力の高い美容液やシートマスクの頻度を増やすことに意識が向きがちです。ただ、肌の最も外側にある角層は、日々の食事からできています。外側のケアで行き詰まりを感じたときは、内側にも目を向けてみる。その選択肢のひとつが、オメガ3脂肪酸です。

オメガ3脂肪酸とは

オメガ3脂肪酸は、体内で作ることができない必須脂肪酸の一種です。大きく3つに分けられます。えごま油や亜麻仁油に含まれるALA(α-リノレン酸)は植物由来で、体内で一部がEPAやDHAに変換されますが、その効率は高くありません。サバやイワシ、サーモンなど青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚由来のオメガ3です。効率よく取り入れるなら、青魚から直接摂るほうがアドバンテージがあるとされています。

肌のバリア機能とどう関わるのか

肌の細胞ひとつひとつを包む細胞膜は、脂質でできています。食事の脂質バランスが偏ると細胞膜の柔軟性が失われ、肌の水分を保つバリア機能が低下しやすくなると考えられています。オメガ3をバランスよく取り入れることは、細胞膜のしなやかさを保つことに関わっているとされています。乾燥や肌荒れの背景には、目に見えない小さな炎症が潜んでいることもあります。オメガ3、特にEPAには、体内の炎症を穏やかに保つ働きがあるとされ、肌の赤みやむず痒さの波を内側からなだめるサポートになると考えられています。

オメガ3は、肌を治す薬ではありません。肌が本来持つ力を、十分に発揮できるように材料を届ける。そんな役割だと考えています。

1日の目安量と、無理のない食べ方

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人のn-3系脂肪酸の摂取目安量は1日1.6〜2.2gとされています。目安としては、サーモンなら約80g、いわしやサバの缶詰なら約100gほど。えごま油や亜麻仁油なら小さじ1杯で2g前後のALAを含みますが、変換効率を考えると青魚と組み合わせるのが理想です。

熱と酸化に弱いという特性

オメガ3は繊細な脂質のため、扱い方に注意が必要です。えごま油や亜麻仁油は、炒め物や揚げ物には向きません。熱を加えると酸化が進むため、火を止めたあとに回しかけたり、納豆やサラダにそのままかけたりする使い方が向いています。光や空気にも弱いので、遮光瓶に入ったものを選び、開封後は冷蔵庫で保管して1〜2か月を目安に使い切ってください。魚も揚げるより、刺身やホイル焼き、スープごと食べられる煮込み料理のほうが、脂を逃さず摂取できます。

外側のケアと、内側のケアを重ねる

オメガ3を食べてから、それが肌の細胞として表面に現れるまでには、早くても数週間から1か月ほどのサイクルが必要です。今の乾燥やピリつきには、まず外側からのスキンケアで水分と油分を補い、肌表面を落ち着かせてください。そのうえで、日々の食事にオメガ3を取り入れていく。外側で守りながら、内側で未来の肌を育てる。この重ね方が、乾燥のスパイラルから抜け出す近道になると考えています。

サプリメントを使う前に

魚を毎日食べるのが難しいときは、フィッシュオイルなどのサプリメントも選択肢になります。ただ、脂質であることに変わりはないため、摂りすぎるとカロリー過多や消化器への負担につながることがあります。血液が固まりにくくなる性質もあるため、血圧や血液に関わる薬を服用している方、持病のある方は、自己判断で始めずかかりつけの医師に相談してください。基本は食事から。サプリメントは、外食が続いた日の補助として位置づけるのがなじみやすい付き合い方です。

「これを飲めば肌が変わる」という言葉は、今日もどこかで語られています。ただ、肌は私たちが選んで口にしたものからしかできません。高い美容液を試す前に、昨日の食事を振り返ってみる。そんな小さな積み重ねが、揺らぎにくい肌につながっていくのだと思います。

Grain Note|今回整理できたこと

肌の声を聴くというのは、鏡を見ることだけではありません。今日の食卓を振り返ることも、そのひとつだと思います。

外側のケアと内側のケアを、切り離さずに重ねていく。オメガ3は、その重ね方を支えるひとつの材料にすぎません。それでも、地道な積み重ねこそが、揺らぎにくい肌をつくると考えています。

Grain Evidence

オメガ3と皮膚のバリア機能に関するレビュー

オメガ3脂肪酸が皮膚の脂質代謝や炎症のコントロールに関わることを整理した総説です。皮膚トラブルとの関係についても、これまでの研究が幅広くまとめられています。

Sawada Y, et al. Front Immunol. 2021;11:623052.

紫外線照射後の経皮水分蒸散量に関する研究

紫外線を受けた肌において、オメガ3脂肪酸の摂取が経皮水分蒸散量(乾燥の指標)を抑える可能性を検証した基礎研究です。ヒトでの効果を直接示すものではなく、今後の検証が必要な段階です。

Harauma A, et al. Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2024;203:102641.

日本人の食事摂取基準における目安量

厚生労働省が定める、n-3系脂肪酸の1日あたりの摂取目安量(1.6〜2.2g)と、過剰摂取時の注意点の根拠です。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

Grain Pick

毎日の食事にオメガ3を取り入れたいときは、遮光ボトルに入った質の良い油を選ぶと続けやすくなります。日清オイリオのアマニ油は、加熱せず仕上げにかけて使うタイプで、量の調整もしやすい一本です。

サラダや納豆、味噌汁にかけるだけで、無理なく続けられる取り入れ方です。

内側からのケアが肌に現れるまでには時間がかかります。今の乾燥には、セラミドを補うスキンケアで外側から水分を守ってあげてください。

内側と外側、両方のケアを地続きで重ねていくことが、揺らぎにくい肌への近道だと思います。