季節の変わり目になると、いつもの化粧水がしみるように感じることがあります。肌の調子が定まらない時期です。
そんな時期に、韓国コスメのバリアケアアイテムでよく見かけるようになったのが、プロポリスという成分です。トナーやミストの成分表示に並んでいるのを見た人もいるかもしれません。
ミツバチが集めた樹脂です
プロポリスは、ミツバチが植物の新芽や樹皮から集めた樹脂に、自らの分泌物を混ぜて作る物質です。もともとは巣の隙間を埋めたり、外敵や微生物から巣を守ったりするために使われています。
人が注目しているのは、そこに含まれるフラボノイド類です。植物が紫外線や外敵から自分を守るために作る成分の一種で、抗酸化・抗炎症の働きが研究されています。
研究で見えていること
プロポリスに含まれるフラボノイドについては、光老化や乾癬といった肌の状態との関わりをまとめたレビューがあります。酸化ストレスや炎症に関わる働きが、肌の変化に影響する可能性があるという整理です。
ただ、これは実験室レベルでの作用機序を中心にした話です。トナーとして毎日肌にのせたときに同じ効果が出るかどうかは、また別の話になります。
気をつけたいのは、アレルギーです
プロポリスには、もうひとつ知っておきたい側面があります。蜂由来の物質として、皮膚科では代表的な接触アレルゲンのひとつに数えられていることです。
パッチテストを行った研究では、対象者のうち1〜7%ほどにプロポリスへの反応が見られたと報告されています。原産地によって反応の出やすさに差があることもわかっています。
肌にやさしそうな響きと、実際の相性は、別に確かめる必要があります。
取り入れるなら、少しずつ
はちみつやプロポリスのサプリメントで違和感が出たことがある人は、特に慎重になったほうがいい成分です。花粉症がある人も、念のため様子を見ながら使ってください。
初めて使う製品は、二の腕の内側などに少量をつけて1日ほど置いてみる。それだけで、顔に広げる前に多くのことがわかります。わたしは新しい成分を試すとき、この一手間を面倒に感じつつも欠かせないと思っています。
問題がなければ、バリアケアの選択肢のひとつとして。合わないと感じたら、無理に続けないでください。似た方向性の成分は、ほかにもあります。
Grain Note
守るための膜は、誰の肌にも同じようにはたらくとは限りません。
プロポリスがミツバチにとって巣を守る物質であるように、人の肌にとっても「守り」に関わる成分だと言われています。ただ守り方の相性は人によって違います。話題になっているからこそ、自分の肌との相性を確かめる時間を省かないでいたいと思います。
Grain Evidence
プロポリスに含まれるフラボノイドと肌の状態
光老化や乾癬といった皮膚の状態に対して、プロポリスに含まれるフラボノイド類の抗酸化・抗炎症作用が関わる可能性を整理したレビューです。細胞・生化学レベルの変化を中心にまとめられており、製品としての臨床効果を直接示すものではありません。
Rivera-Yáñez CR, et al. Antioxidants (Basel). 2021;10(11):1662. (PMID: 34943117)
赤色プロポリスを使った膜製剤の検討
ブラジル・アラゴアス州の赤色プロポリスを配合したハイドロゲル膜を作製し、性質を調べた研究です。抗菌性が確認された一方、動物試験ではアレルギー反応は見られなかったと報告されていますが、これは特定の製剤・条件での結果です。
Silva VC, et al. Molecules. 2020;25(24):5811. (PMID: 33317120)
プロポリスへの接触アレルギーの頻度
スウェーデン西部でパッチテストを行った722名を対象にした調査では、プロポリスへの反応が2.4〜3.6%に見られ、産地によって反応率に差があったと報告されています。別の報告では1.2〜6.6%という数値も示されています。
Nyman G, et al. Acta Derm Venereol. 2020;100(17):adv00269. (PMID: 32830285)


