夏になると、バッグにミストを一本入れている人は多いと思います。ひと吹きした瞬間のひんやり感は、それだけで気分が変わります。ただ、店頭に並ぶミストを見ていくと、同じ「ミスト」でも中身はかなり違います。冷たく感じさせるもの、水分を補うもの、日差しを浴びたあとの肌を鎮めるもの。仕組みを知らないまま選ぶと、期待していたものと違う使い心地になることがあります。
ミストには大きく3つのタイプがある
冷感ミストと呼ばれるものの多くは、メントールやハッカ油、メントキシプロパンジオールといった成分で、ひんやりした感覚を作っています。水分補給タイプは、温泉水やグリセリン、ヒアルロン酸、セラミドなど保湿成分が中心です。もう一つ、最近増えているのが、CICAやパンテノールなど、紫外線を浴びたあとの肌を落ち着かせる目的のミストです。
| タイプ | 主な成分 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 冷感タイプ | メントール、ハッカ油など | 暑さで気分を切り替えたいとき |
| 水分補給タイプ | 温泉水、グリセリン、セラミドなど | 乾燥や化粧崩れが気になるとき |
| 鎮静タイプ | CICA、パンテノール、アロエなど | 日差しを浴びたあと、肌がほてっているとき |
「冷たい」は、肌の温度が下がっているとは限らない
メントールは、皮膚にあるTRPM8という冷たさを感じるセンサーを刺激して、脳に「冷たい」という信号を送ります。実際に運動時のメントールスプレーの効果を調べた研究では、冷たく感じる・涼しく感じるという体感は確認された一方で、汗の量や体の深部体温そのものには大きな違いが見られませんでした。ひんやり感は、肌が実際に冷えているというより、感じ方の仕組みによるところが大きいということです。
ひんやりするのは、肌が冷えたからではなく、脳がそう感じているから。
水だけのミストは、乾燥を助けてしまうこともある
水を吹きかけると一瞬うるおった気がしますが、水は蒸発するときに周囲の水分も一緒に持っていく性質があります。もともと乾燥している肌に水だけのミストを使うと、かえって乾きを感じやすくなることがあります。だから最近のミストには、蒸発したあとも水分をとどめておくグリセリンやヒアルロン酸、セラミドといった保湿成分が入っているものが増えています。
汗や紫外線のあとは、鎮静タイプという選択肢も
パンテノール(プロビタミンB5)は、肌のバリア機能や保湿に関する研究の蓄積がある成分です。CICAも同様に、炎症を鎮めながらバリアの回復を助ける働きが報告されています。汗をかいたあとや、屋外で日差しを浴びたあとの肌は、少なからず刺激を受けています。そういうときは、ひんやり感よりも、肌を落ち着かせる方向のミストが合っていることがあります。
冷感を否定する話ではありません
暑い日に気分を切り替えたいなら、冷感タイプも便利です。ただ、日差しを浴びたあとや、汗で肌が敏感になっている日には、保湿・鎮静成分を含むミストの方が使いやすいこともあります。編集部でも、汗をかいた午後は保湿タイプ、外に出る前の気分転換には冷感タイプと、日によって使い分けています。どちらか一方が正解というより、その日の肌の状態で選べることが大切です。
Grain Note
夏は「ひんやりするミスト」と「肌を整えるミスト」を、使い分けてもいい。
冷感はダメで保湿が正義、という話ではありません。気分で選ぶ日があってもいいし、肌が揺らいでいる日は保湿・鎮静タイプに頼っていい。その日の肌に耳をすませることが、選び方の起点になります。
Grain Evidence
メントールと体感温度・発汗量
運動時にメントール配合のスプレーを使用した研究では、冷たく感じる・涼しく感じるという主観的な効果が確認された一方で、発汗量や深部体温に大きな違いは見られなかったと報告されています。冷感の正体が「感じ方」に近いことを示す結果です。
Barwood MJ, et al. "The influence of menthol on thermoregulation and perception during exercise in warm, humid conditions." (PMID: 20574677)
パンテノール(プロビタミンB5)とバリア機能
パンテノールは、皮膚のバリア機能をサポートし、保湿や皮膚の回復に関わる成分として、皮膚科領域で長く研究・使用されてきました。日焼け後や刺激を受けた肌のケア成分として配合される理由の一つになっています。
Ebner F, et al. "Topical use of dexpanthenol in skin disorders." Am J Clin Dermatol. 2002.
Grain Pick
汗をかいたあと、こすらずに水分だけ補いたい人には、保湿成分入りのミストという選択肢があります。キュレルのディープモイスチャースプレーは、セラミド機能成分を配合し、ひと吹きで肌をこすらずうるおいを補える一本です。
冷たさよりも、汗のあとの乾燥を防ぎたい日に向いています。
外出先で塗り直しの前にひと吹きしたい人には、携帯しやすいミニサイズのミストという選択肢もあります。dプログラムのアレルバリア ミスト Nは、外的な刺激から肌を守りながら、手軽に水分を補える処方です。
メイクの上からも使えるので、日中の乾燥対策として持ち歩きやすい一本です。



